2020年04月27日

「介護崩壊」(その2)

うす曇りではありますが、穏やかな光が差し込んできています。

「介護崩壊」のブログをアップしましたが、県内紙、全国紙にも取り上げられていました。

県内紙(琉球新報)から内容の一部を紹介します。

・13~19日時点で全国858事業所が休業(6~12日時点では503事業所)
・休業理由としては
 「感染拡大防止のため自主的な判断」(843事業所)
 「自治体からの要請」(2事業所)
 「学校などの休業による人手不足」(13事業所)


「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(特措法)では、通所介護(デイサービス)やショートステイは休業要請ができる業種です。寝たきり状態のお客様など状態の思いお客様が長期的に利用する施設はその範囲内ではありません。

識者のコメントとして「通所介護などが完全に休業すると在宅介護は崩壊する。特に独居や老老介護の世帯にとっては命綱になっている」とありました。

今回の調査でもっとも休業が多かったのが東京都(121)、大阪(72)、神奈川(69)といて、「特別警戒都道府県」に指定されている地域が多くなっています。因みに沖縄は8事業所でした。

サービスを受けている方が気になります。😔




さて、今日の「介護崩壊」(その2)は、サービスを提供する「事業者側」の視点で書いてみたいと思います。



介護は慢性的な人手不足の業界です。


人手不足の要因は社会的地位の低さと労働対価としての賃金の低さだと感じています。

今でこそ「介護」はその認知度も上がりましたが、現在でも一部の医療機関では「看護助手」と呼ばれるところも少なくありません。

勿論、その資格を得るためのハードルの高さはありますが、国家資格の中でも待遇差は大きなところがあります。


しかし、拡大する高齢社会で高齢者の生活を最前線で下支えしているのは「介護」です。

その下支えが崩壊するとどうなるのか。

怖い部分はありますが、現に今回の新型コロナウィルス感染拡大の中で、その兆しが出てきたように感じています。




介護はその性質上「人件費率」が高い業界です。

一般的に、特養や老健などの施設事業では60%前後、通所介護(デイサービス)では70%前後、そして訪問介護では80%以上と言われています。
(その差は、人件費以外の建物などの設備投資の差などからくるものです)

人件費は、今回の感染拡大以前から、全国的な人手不足を背景に高騰しました。
加えて、新型コロナ感染拡大がより拍車をかけるのでは、と心配しています。

なぜなら、今盛んに言われている「3密を避ける」ことを実践することがとても難しい現場だからです。

上述したように事業を中止した一番の理由は「感染拡大防止のため」でした。



施設介護であれば、外部からの感染を防ぐ努力を行っていけば、決まったお客様へのサービスを提供していますので、ある程度の安心感はありますが、お客様のご自宅でサービスを提供する「訪問介護」やお客様を送迎する「通所介護」の現場は、常に目に見えない感染リスクの恐怖と闘いながら日々に業務を行っています

このような環境が長く続くと、ますます人材の確保が難しくなり、
「人件費の更なる高騰」⇒「収益の圧迫」⇒「事業継続困難」となる恐れもあります。

特に小規模事業所の多い地方では、「介護崩壊」がより現実的なものになる可能性は否定できません。




高度経済成長を機に、「核家族」が進み、そして「単身世帯」が増える社会になってくる中で、家族や地域だけでなく社会全体で支えることを目的としてスタートした介護保険制度の開始から、今月で20年になります。

私が銀行を退職して、建設会社に入職しながら、お客様の要望や家族の将来を考えて、興味を持ち勉強を始めたのも同じく20年前でした。


この時期にこのようなコメントをするのも何か意味があると思います。

しっかりと「アフターコロナ」を見据えて、愛する家族のために、愛するカシータの仲間たちのために、支え、育ててくれた地域のために、しつかりと歩んでいきます。

20年後の自分に褒めてもらえるように。😐



Posted by mkei at 12:35│Comments(0)
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