2020年04月24日

「介護崩壊」(その1)

「NHKクローズアップ現代」(4月23日放)をみました。
テーマは「新型コロナ“介護崩壊”を防げるか」でした。

連日連夜、新型コロナウィルス関連のニュースの中で、多くの識者の方が「医療崩壊を防ぐ」ことを訴えることは多いのですが、「介護崩壊を防ぐ」という言葉を私は見聞きしたことはありませんでした。


カシータは 「介護付きホーム美里の杜カシータ」 (定員60人 沖縄市)、 「介護付きホーム津嘉山の杜ヒルトップカシータ」 (定員60人 うるま市)と 「デイサービスカシータ」 (定員45人 うるま市)などを中心に運営している会社です。
おかげ様で、介護付きホームは高い稼働率(両施設とも満床)を維持させて頂いていますが、ここに来てデイサービスのお客様のキャンセル率が高くなってきています。
その多くが「新型コロナ感染予防」のためです。

正直、そのこと自体に大きな危機感もなく、今のご時世“仕方がないな”くらいに考えていました。(勿論経営的には望んいることではありませんが)😔

しかし番組を見ているうちに、「介護崩壊」という現実が、会社の外では広がっていくことを実感しました。

番組情報では現在、約800余りのデイサービスを中心とする事業所が休止しているとのことでした。
各事業所によって、休止理由は異なると思いますが、番組で紹介されていた施設では、隣接する「特養」への感染防止でした。

「デイのお客様は戻る場所がある」
「家族のいる方も多い」

なにより「施設に比べて介護度も低く、比較的元気である」という理由があるのではないでしょうか


そのことは間違いと思いますし、私自身も「入居しているお客様を守ることが一番」
という観点から、同様の措置も考えていました。

しかし番組が進むうちに、本当に1~2週間といった短い期間でも、様々な問題が大きくなるお客様の姿が紹介されることを見て、改めてデイサービスの役割を感じました。

高齢者の時間は若者のそれと大きく異なります。
体力や機能低下の速度も同じです。

もちろん、新型コロナにり患しないことは大前提ではありますが、この戦いが長期戦になった場合、「アフターコロナ」の町には、多くの心身機能を低下した高齢者が増え、新型コロナの治療ではなく、別の理由で入院が必要な高齢者が大挙病院を訪れるのでは、と心配します。(一般に高齢者の入院は長くなる傾向にあります)😧

入院はしないまでも、介護度の上がった高齢者も増加し、「医療・介護」の両面で社会保障費の上昇を加速させると考えられます。


自宅待機により高齢者を自宅でケアしないといけない家族の問題も見逃してはいけないと考えます。(「老老介護」や「独居」問題もあります)😔


もちろん、今は感染拡大防止が最優先されるべきです。

そのような状況の中で、職員の安全を考えながらも、今までと同じ気持ちで「休止」ということ簡単に決断できなくなった私がいます。

本当に悩ましい問題ですが、日々の状況を見ながら、判断していきたいと思います。

「できること」「やりたいこと」「やらなければならないこと」を探しながら。


次回は経営者の一人として感じる経営的部分の「介護崩壊」について書いてみたいと思います。



Posted by mkei at 15:29│Comments(0)
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